FTM(女性の身体で生まれたが、性自認が男性になっている人)と一言で言っても、全員が全員男らしい外見を好むわけではなく、様々なタイプの人がいます。
今回はそれらを詳しく説明していきます。
FTM=見た目が男性の人ではない
いちばんよく間違われているのですが、性別適合手術しておらず、「身体が女性のままの人はFTMではない」は誤りです。FTM(身体は女性だが、自認は男性である)やFTX(身体は女性だが自認は中性/無である)といった基準はあくまでその本人の中にあり、他人が決めるものでもありません。
男性を自認しているが、男性ホルモン注射しても体質的に見た目が男性に寄らない人や、副作用で男性ホルモン注射をやめる人もいます。しかし、たとえ見た目が男性にならなくても、その人の中で「自分は男性だ」という自認は揺らぎません。
なので、FTM=男性の見た目の人とは限りません。
結婚して子供を出産されたというFTMの方もいますし、男性自認だけどもあまり男っぽくない女性的・中性的な容姿をしている人もいます。
FTMの人たちはどのような人たちがいるの?
女性のパートナーと暮らしているタイプのFTM
自分のことを男性として見てくれる女性のパートナーと一緒に暮らしているケースです。
このタイプの人は比較的生活にゆとりがあり、幸福度が高そうだなと感じます。
もちろんパートナーがいることが幸せだとは限りませんが、それぞれの足りない部分を補い合える関係のためか、このタイプの方は非常に心のゆとりがあります。
また、パートナーの女性のほうは専業主婦という感じではなく、会社勤務や起業された方などキャリアウーマン系の方が多い印象があります。
性別適合が終わってしまっているので、性的マイノリティのコミュニティに頻繁に顔を出すこともありません。今がとても幸せというのが伝わってきます……。
お一人様FTMタイプ
手に職があり一人で暮らしているケースです。
お一人様FTMの場合、一人でやっていける人もいればそうでもない人もいるというのが正直なところです。「誰かに依存することなく、人を信用することや頼ることが上手いタイプ」の人は一人でもやっていけるのではないかなと思います。
お一人様タイプの方でも、ゆくゆくはパートナーが欲しいと考えてらっしゃる方や、一人のほうがよいと考える方それぞれいらっしゃいます。どちらかというとずっと一人でと考える方のほうが少ないです。
実家暮らしFTMタイプ
実家で暮らしているタイプです。
同居している家族に性同一性障害への理解があれば一緒に住めるのですが、理解が得られず家を追い出される、一緒に住めないというケースはとても多いです。
実家暮らしの場合、経済的な余裕が生まれるので、独り立ちができるまではこの状態でもいいと思います。
男性のパートナーと暮らしているタイプのFTM
男性を自認しながらも性別適合せず、戸籍が女性のままなので男性と結婚するという人も一定数います。子供がいる人も多いです。
本当によく「男性を自認しているのに男性と性行為して出産ができるなんておかしい」なんて言う人いますが、おかしいと感じる人もいれば、おかしいと感じない人もいる。それだけなのです。
FTMの方が男性と一緒に暮らすケースの場合、自分のことを男性として見てもらえない、女性として見られるといったことがしばしば起き、それをストレスに感じるている当事者も少なくありません。
また、一度は結婚したけども、のちのち自分が性別不合だったと気づいて離婚するケースもよく見かけます。
まとめ
身の回りに性同一性障害の人なんていないから全く未知の世界だ。私も最初はそうでした。
LGBTの講義などではよく、「FTMは心が男性で、見た目も男性することを望んでいる人」と一括りにされており、ステレオタイプな偏見が広がっているような印象を受けます。
実際はまったくそうじゃないのです。
FTMの方は、自分に合った生き方を自分で選べるようになることが一番大切です。
何も希望が見いだせない、そういった状況がずっと続くとも限らず、ふとしたきっかけで大きく状況が好転することもあります。何か自分にピンとくる生き方を見つけたら、それに従って生きていくのがいいと思います。
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