FTMにはどのような職業についているのか。
今回は、FTM（女性の身体で生まれたが、性自認が男性になっている人）の方はどのような職業に就いているのかをご紹介します。
会社員タイプのFTM
いわゆるサラリーマン。私はこれに該当します。
ただ、サラリーマンをしているというFTMの方の数は、体感としてはとても少ないと感じています。
理由は、中学・高校あたりで身体違和を強く感じ、学校を中退してしまう方が比較的多いです。（私もです。）一度ドロップアウトしてしまうと、そこからキャリアを再形成するのが難しい場合もあります。
サラリーマンで成功できるタイプのFTMの方はどんな人なのか？
10代のうちから性別適合の知識を身に着けて大学在学中に性別適合し、男性として社会人デビューできれば、それがいちばんいいのではないかと思います。そういう人はとにかく自分の性別がどうだとかそういうことで迷ってません。
今の20代ではこのタイプの人が増えてきた気がしますが、性同一性障害という言葉がそこまで浸透していなかった30代以上の世代ではあまり多くない印象があります。
またサラリーマンタイプの場合、いわゆる「完全埋没」（女性の見た目から完全に男性の見た目に変更している状態）の方がほとんどで、性別適合手術を行って戸籍の性別は変更済みのため、何も言わずに男性として生きているという方が多いです。在職トランスの方も一定数いらっしゃいます。
もともとオフィスにはFTMそれほど多くないのと、埋没して周囲からは分からない。
この両方の理由から「ここに性同一性障害の人はいない」なんだと思います。
また会社員といってもオフィスで仕事をするのではなく、タクシーやバス、トラックの運転手という方もいらっしゃいます。体力のある方にはおすすめの職業かもしれません。
自営業タイプのFTM
FTMの方で自営業という方はとても多いです。サラリーマンの人より多いのではないかなと思います。
理由はもちろん、自分で仕事を始められるので、就職活動が必要なく性別が障壁になることはありません。自分にしかできない得意分野を活かし活躍されている方もいます。FTMの方に向いている職業であるといえるでしょう。具体的には、ガテン系・肉体労働、バー勤務といった方が多いです。
教育職タイプのFTM
なぜか教育関係の職を選ぶFTMの方はとても多いです。競争を好まない人が多いことや、人の役に立ちたいと考える人が多いのかなと思っています。具体的には、小学校教員、保育園の先生として活躍されている方たちがいらっしゃいました。他に公務員の方も多いです。
FTMの方が仕事に就くのが難しい事情
これまでお会いしたFTMの方で、現在は仕事に就いていないという方が一定数いらっしゃいました。
その理由としては、身体が弱い、鬱などの症状があるというのが一番多かったです。
FTMの方で鬱という方は珍しくありません。
鬱だから何もできないと諦めるのではなく、体質の改善で鬱の症状がよくなることもあります。
ホルモン注射は、見た目を男性にするためだけにに使用しているわけではありません。
注射の効力で体力や活力を取り戻すこともできるので、何もしないで鬱のままほったらかしにするくらいであれば、一度クリニックへ行って相談してみるなど何かしらのアクションを起こしましょう。（性同一性障害の診断書がなくても、注射を打つこと自体は可能です。）
そして元気になった時点で、自分に合う仕事を見つければいいのです。
FTMの方におすすめな職業
性別関係なく活躍できる専門職は穴場
FTMの方におすすめな職業は、専門・技術職です。
具体的には、デザインや、プログラミング、イラスト制作などものをつくる仕事です。
自分で起業してもいいですし、会社に勤めてもいいと思います。
特にWEBの人材はどこでも圧倒的に足りていないので、最初のハードルが低いのにすぐに仕事にできる、キャリアアップが見込めるので私はわりとオススメしてます。
コツは一気にすべてを叶えようとしないこと。
最初は時給1000円のアルバイトからはじめ、時給1800円の派遣にレベルアップ、そこから正社員という風に、着実なキャリアアップが一番の近道です。
数年後の一通り知識や技術が身についたあとは、個人事業主になるか、転職するかなどの道が広がっていきます。
MTFの場合は会社員タイプの人が多い
逆にMTFの方だと、会社員タイプの方が多いと感じています。
その理由としてはFTMと比べ身体違和によるドロップアウトの発生率が低く、学生時代は男性の身体の方の性別で耐えて、就職したら性別を変えようと考える人が多いようです。
また、男性社会の方が競争が起こりやすいので、学歴を積み上げていく上では有利というのが大きいと思います。
まとめ
自分にあった職業を選ぶというのが一番大事です。
よくあるLGBTフレンドリー企業だからという点を基準に職選びをしないことが大切です。
「自分がやりたい仕事で選ぶ」これがいちばんよいと思います。
FTM当事者の方で、どの仕事に就いたらいいか分からないなど仕事選びのご相談は、私、たけのりまでメールしてください。
jackotonashi@gmail.com
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