困った状態で面接に行くなよ!困っている性同一性障害の当事者に伝えたい就職活動のあれこれ

性同一性障害関連のニュースで、「性同一性障害の当事者が採用面接で差別されている!LGBTへの理解が必要だ!」という記事をよく見かけます。

私自身、自分が性別不合だったと気づいたばかりの頃は、そういうネガティブなニュース鵜呑みにして、「やっぱり性同一性障害の当事者は就職が難しいのかもしれない」と思いこんでました。(いやー、情けない)

しかし、実際に就職している当事者の方や、在職中に性別変更をされた方たちもたくさんいて、別にうまくいってない人ばかりではないということに気づきました。
記者が好んでその記事を書きたがっているだけで、世の中、人のためになるニュースばかりじゃないんです。

まず、言いたいのが「LGBTへの理解」に期待するな。

「LGBTへの理解があれば就職でこんな困難しないはず!」みたいな考えを持つのはやめてください。
就職がうまくいかないのはLGBTに理解がないせいではなくてあなたのやり方が悪いのです。

LGBTへ理解のある企業があるかもしれないと、そっちに期待をして就活をすることや、LGBTだから就活はうまくいかないと悲観的になるのは止めましょう。

「就職で困難しない当事者は何をしているのか」をちゃんと知っていますか?

就職でつまずく当事者の多くが、「うまく就職している当事者が何をしているかを知らない」。
つまり、就活のやり方を知らないケースが多いです。

  • 現時点で、望みの性別で働くことが難しそうであれば、いったんそれは後回し。
    実力が身についたあとに望みの性別で働いてください。
  • まだ働いた経験のない人であれば、極力黙っててください。
    未手術の方で身体の方の性別で通りそうなら、一旦、何も言わないで済む方を選んでください。
  • 身体の方の性別で無理に仕事をして身体を壊してしまうくらいなら、先に性別適合手術をしてきてから就活してください。
  • 見た目がパスできる人であっても、性別が理由で断られそうな職場を選ばないでください。

最初からすべてを望まない

就活で困る性同一性障害の人は、性同一性障害の当事者ではない人と同じように就職したいと思っています。でも残念ながらこれがいちばんの間違いなのです。残念ながら平等ではありません。(名ばかりLGBT平等法はあるけどね)

多くは望まないで、自分のできることから選んでいくのがうまくいく就活のコツです。
例えば、

  • こういう業種なら、性別がどうとか言われにくそう
  • 今はしばらくこの職場で働く傍ら専門技術を身に着け、性別が関係ない職場へ転職しよう

こういった自分が不利にならないための戦略はどうしても必要になってきます。

ちなみに今の私は、女性の身体なのに、声は男性に近いという不思議生物です。
「一般的な男性女性ではっきりと性別で扱いが変わるような昔ながらの商社やメーカーだったらきっと居心地悪いだろうなと思うけど、男女の性差を感じにくい、ものづくり系の職場なら自分は活躍できるだろう」

実際にこの読みは正しく、不思議生物だけど、なんの問題なく仕事しています。

「トランスジェンダーで困っているのですが、採用面接に来ました」みたいな状態で面接を受けに行かないでください。

まず、困っている人を企業は採用しようと思いません。
採用面接に行くなら困っていない状態で行ってください。

鬱のときなど、働ける状態ではないけど生きていくために仕事に就かないといけないといったときはあると思います。でもそういうときこそ、自分がトランスジェンダーだということは一旦置いといて、「自分が生きること」に専念してください。

実は、コネ採用が最強です

いわゆるコネ採用です。就職活動しないで仕事を得るというのが一番楽なのです。
実際、人づてに仕事を紹介してもらっているという当事者の方はたくさんいると思います。

なのでコネクションをいっぱい作って下さい。普通に就職活動することが難しい性同一性障害の人こそ、人と人のつながりをたくさん作っておくべきだと思います。しかしその際は「性同一性障害の人」ではなく、何ができる人なのかで覚えてもらうようにしてください。

アウティングは本当に悪なのか?

いろいろな意見がありますが、アウティングが悪とする風潮は必ずしも当事者のためになっていないと思います。もし「アウティングは悪いこと」と認定してしまうと、アウティングが起こるリスクのある性同一性障害の人の採用するのを控えようといったことに繋がる可能性があります。

当事者側も、「アウティングが絶対起こらないように」といった配慮を会社側に過剰に求めるのはよくないと感じています。

絶対にバレないようするという風に捉えるのではなく、万一、自分が望まないことが起こったとき、どう振る舞うのかの心構えでいたほうがよいのかなと考えています。

私自身、アウティングが絶対に悪だとは思いません。バレたらおしまいみたいな、まるで性同一性障害である自分が犯罪者のような扱いをされているような気持ちになりますし、実際にそういうもんでもないよなって思っています。

うまくいっている人を目標にしてみよう

これがいちばんいいです。
仕事で成功をしている人でもいいですが、「いい生き方をしている人」を目標にするのがいいと思います。うまくいっている人は悩んでませんし、人の悪口を言う時間があったら、自分のためになることに時間を使っています。そうなるのが一番自分にとって幸せになれると思います。

参考サイト:パンテーン LGBTQ+の元就活生のエピソード
https://pantene.jp/ja-jp/hair-we-go/pride-hair/episodes

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