自分は女だと思ってたのに実は男だった!?性同一性障害に”途中で気づいた”人たちのお話

性同一性障害に”途中で気づいた”人たちのお話

性同一性障害は「女だけど心は男だ!」の類ではなく、生まれたときの頭と身体の「性別の逆転現象」が主たる原因と考えられています。初めての方はこちらのページをご覧ください。

性同一性障害であり、「頭は男、身体は女の状態」で生きたらどうなるか?
多くの性同一性障害の当事者は、自分の身体の性別に違和感を感じ、性別適合手術して自認する性別と身体を合わせようとします。

ただその一方で、「自分が性同一性障害の当事者であることに気づかない人」というのも一定数います。

自分が性同一性障害だということに気づかない理由

理由その1:「性別違和」という概念がなかった。自分の性別は身体の性別だということを信じて疑わなかった

気づかなかった人の中では一番多いパターンです。
そもそも「性別違和」という概念がなければ、性同一性障害に気づくことができません。
「世の中には、身体は女性だけども自分は男性かもしれないと違和感を持つ人がいる」ということを知らずに、一人で悩みを抱えている当事者もたくさんいます。

私の場合は、「身体の性別が女性だから自分は女性」という考え方をしていましたし、「性同一性障害という言葉は知っているが、当事者が身の回りに当事者がおらず、まさか自分がそうだとは考えてもみなかった」と言った具合でした。

理由その2:性別関係なく活躍できる仕事に就いているので気づかなった

漫画家など、その人にしかできない仕事に就いていたお陰で、性同一性障害だけども生きるのに困らなかったというケースは多々あります。

漫画家の他にも、クリエイティブ関係の仕事や研究職など、特定の分野で活躍できる仕事に就いており、男性でも女性でも性別で扱いが変わる環境にいなかったため、自分がそうだと気づかない人はたくさんいると思います。そしておそらく、「ずっと気づかないまま一生を終える」人も少からずいるものと考えられます。

理由その3:自分自身への興味が薄かった

「自分のことに無関心」だったため、良くも悪くも自分が性同一性障害に気づかなかったということがあります。

これはどういう人を指すかというと、熱中できることや強い興味を抱いていることがあり、自分のことなど気に留めたことがないというタイプの人です。クリエーター気質の人に多いです。

自分のことに無頓着なことにはマイナスの面もあり、対人関係をないがしろにする、自分はこういう人間なんだというのが説明できない、自信が持てないと言ったことがあります。

性同一性障害に途中で気づいた人はどうしているの?

世代により様々なケースがあります。やはり早く気づいた人ほど、人生のスタートラインに立てる時期には早くなる傾向はあります。

50代で気づいた人のケース

50代で自分がそうだと気づいた人の場合ですが、「性同一性障害」という言葉もまだ一般的ではない上、インターネットのない時代だったため、自認している性別とは逆の性別である「ずっと身体の方の性別で生きていた」という人がほとんどです。また結婚して、子供がいるという方がとても多いです。

その後インターネットの普及で、性同一性障害に関する情報を得ることができ、40代、50代で性別適合手術を受けるという人もたくさんいます。老後の不安から性別適合手術に踏み切れないという人より、死ぬまでには本来の自分の姿で生きたいと考える人が多いように思えます。

30代で気づいた人のケース

自分はこの世代に当たりますが、30歳前後で自分がそうだと気づいた30代の当事者は少なく、それよりも早く自分がそうだと気づいていたという人が多いようです。
今から20年ほど前、2000年初頭に、ドラマ3年B組金八先生で、性同一性障害を取り扱った話が放映され、これかきっかけで自分がそうではないか?と気づいた人が多いからです。気づかないの自分だけか!?という悲しい気持ちすらなります……(笑)

ドラマの影響もあって、現在30代の当事者は10代のときに「性同一性障害」という言葉を知って気づいたという人が多く、50代の世代の人と比べると、ずっと気づかずに生きていたという人の数はとても少ないのが特徴です。

しかし、ドラマが放映されたこの当時はまだまだLGBTなどの言葉は広がってない上、TVなどのメディアも性同一性障害への偏見が強かったです。そのため親にカミングアウトして絶縁されてしまうという人もたくさんいました。不遇の10代・20代を過ごしながらも独り立ちをして、20代後半で性別適合手術をしたという人もたくさんいます。性同一性障害のため15歳で高校に通えなくなった私自身も、30歳から人生リスタートでした。

10代~20代で気づいた人のケース

近年LGBTという言葉が流行りだして気づいたというケースです。
早く気付けたというメリットもありますが、10代という若いときに、セクシャルマイノリティや、LGBTという世界を知り、深く悩んでしまい、そこから抜け出せなくなっている人も少なくありません。

私自身は、長い間、自分が性同一性障害だということを知らないで生きていたため、セクシャルマイノリティの世界に時間を取られずに済んだことはとてもよかったと思っています。
10代の頃に知っていたら、「なぜこんなに生きづらいのか」原因に気づくことはできたでしょう。しかし、気づいたと同時に、性同一性障害である自分を悲観したり、自信が持てなくなったり別の悩みで自分の時間を使ってしまっていたと思います。

将来、自分はどのような姿になりたいのか、現実的な落とし所はどこなのかを見極め、性別適合に向けた人生設計が早い段階でできる人ほど、LGBTや性同一性障害のことで悩まずに済む傾向は高いです。

女だと思っていたら、男だった(笑)途中で気づいたときの気持ちは?

女で生きてきたけど、実は男だった。そんなことってあるの?

私は20代後半で気づきましたが、自分の性別に対しこれまで生きてておかしいと思った点は多々あったので、「ああ、そういうことか」というホッとした気持ちになりました。

「性別がない!」という漫画の作者である新井祥先生は、女性として生きていたものの、30歳のときに性分化疾患でどうも身体が女性とは異なる状態だったと判明。その後は見た目を男性に寄せて生活されています。

なんだ普通に生きてるじゃん……という安心感は確かにあります。珍しいことでもないし、そうだと分かる前も困らずに生きてこれた人もたくさんいるので、「焦るな、今できることをやれ」が大原則だと思っています。

ただ、「本来の性別が男性なのに、気づかないまま女性として生きていた時期とどう向き合うか」ということだけは、なかなか悩ましい問題でした。長くなるのでこれは別の記事に書きます。

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