性別不合(性同一性障害)と保険適用の問題点

性別不合当事者の治療に掛かる医療費は基本的に全額自己負担

性別不合(性同一性障害)の当事者の方は、性別適合手術にかかる費用*やホルモン注射、体内のホルモン量を調べる血液検査なども保険が適用されたないため、必要な医療であっても基本的には全額自己負担しています。

*国内に限られますが、2018年より、性別適合手術に保険が適用されることになりました。大変喜ばしいことです。しかしまだまだ手術費用が高額なため、手術費用が安価なタイで性別適合手術を受ける人が多いのが現状です。

私(身体性は女性)は、4週間に1度、一回2,200円の男性ホルモン注射(エナルモンデポー125mg)をクリニックで投与してもらってます。
私の場合、ホルモン注射をする目的は、あくまで自分の身体を健康な状態に保つためです。自分の容姿を男性に近づけるためではありません。

15年以上、原因不明の体調不良に悩まされていましたが、男性ホルモン注射を打ちはじめたところ、鬱のような症状が劇的に回復。社会活動にも復帰することができました。
いちばん具合の悪かった頃と今を比べると別人のようです。

月にたった2,200円でこんなに元気になるなんて安いもんだと思いますが、それでも年間3万円のホルモン注射代を全額自己負担で払っています。

性同一性障害の診断書があってもホルモン注射は保険適用にはならない現状には大いに問題がある

現在、日本ではホルモン注射は「戸籍を注射をする性別と同じにした人」のみ保険適用になります。
性別適合手術をする前の人や、手術を行うことができない人は、性同一性障害の診断書を取得したとしても保険適用にならず、ホルモン注射代を全額自分で負担しなくてはならないのです。

一日でも早く、性同一性障害の診断書を取得した人のホルモン注射が保険適用になるよう、声を上げ続けるというのがVOICE OF GIDの当面の目標です。

性別変更は「好きでやっている」という誤解をなくすために

私達は、必要だからホルモン注射をしています。
日常生活が困難なほど性別違和が強い方がホルモン注射をすることで、精神面でも体調面でも大幅に改善し、社会活動に復帰できる例は数多くあります。

「好きでホルモン注射をやっているから自己負担」という誤解をなくし、当事者の方が適切な医療を受けられる日が来るよう、VOICE OF GIDではこれからも活動を続けて参りたいと思います。

参考ページ:現在使える自己負担を減らすための制度

自己負担が1割になる!性同一性障害でも使える「自立支援医療」について
https://gid-mtf-guide.net/2019/02/26/self-reliance-support/

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